Molecular Ecologyに論文が掲載されました

アオモンイトトンボの分布北限がどのような集団遺伝学的メカニズムで形成されているのかを明らかにしました。分布限界の成立機構には、辺縁部での多様性の欠如仮説と、辺縁部での移住荷重の増大仮説があります。本種では、辺縁部での遺伝的多様性の欠如により適応進化が抑制されることで、進化的な分布拡大が停止する、すなわち分布限界が形成されることがわかりました。大きな空間スケールで生じる種レベルの分布限界は、相対的に遺伝子流動の貢献が小さくなるので、多様性の欠如によって適応進化や分布拡大が抑制される場合が多いと考えられました。

Takahashi, Y., Y. Suyama, Y. Matsuki, R. Funayama, K. Nakayama and M. Kawata (2016) Lack of genetic variation prevents adaptation at the geographic range margin in a damselfly. Molecular Ecology, 25: 4450–4460

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