複数の個体を個別かつ同時に観察する場合、たくさんのシャーレを並べたり、マルチディッシュ(マルチプレート)を使いたくなります。しかし、こういった容器(あるいはウェル)に一個体ずつ入れて撮影を行なうと、どうしても死角が出てしまって、個体を見失うことが多くなります。
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/スクリーンショット-2020-08-06-0.22.13-856x1024.jpg)
これでは、動画をもとに行動の観察ができなかったり、トラッキングができなくなったりします。困る。
そのようなときは、カメラと被写体の間にレンズを置くと良さそうです。とくに、シートレンズ(フレネルレンズ)がおすすめ。具体的には、マルチディッシュの上にシートレンズをおいておくだけ。これだけで死角が劇的に減ります。以下のような条件で撮影をしてみたので、比較してみましょう。
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/スクリーンショット-2020-08-06-0.23.15-1024x702.jpg)
Aは、レンズシートなし。Bはマルチディッシュの上にレンズを置いたものです。
まずはAの場合。
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/before-1024x709.jpg)
一方、レンズを置いてみると。
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/after-1024x697.jpg)
24ウェルでもやってみました。まずは、A(レンズなし)の場合。
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/before24-1024x692.jpg)
レンズを通して撮影すると。。。さすが!
![](http://takahashi.chiba-u.com/wp-content/uploads/2020/08/after24-1024x696.jpg)
フレネルレンズの影響で、少しだけ像が乱れますが、トラッキングしたいだけならまったく困りません。お試しあれ。